産毛と母の言葉

私は産毛が濃かったので、嫌な思いはかなりしてきました。 何か言われても言い返せばよかったのでしょうが、自分でも引け目を感じていたのは確かなので、どう言い返せばいいのかも分からず、結局言われるがままになっていました。 私は自分の産毛が濃いことになんとなく気づいたとき、真っ先に母に相談しました。 私は当時、母を絶対的に信頼していました。 母の言うことは何でも正しいと信じていたのです。

その母が言った言葉は「産毛は誰にでもあるもの。わざわあ剃ったりする必要なないんだよ」とのことでした。 産毛がみんなにあるというのは確かに正しいことですが、剃らなくてもいいかというとまた別の話です。 目立つなら剃ってしまえばよかったのです。

しかし、当時の私は母の言うことが全てだったので、産毛を剃ろうとは考えもしませんでした。 みんな生えるんなら剃らなくていいんだと思ったのです。

しかし、それは大きな間違いでした。 ちゃんと聞いたことが無いので分かりませんが、おそらく、みんな産毛は剃っていたのでしょう。

私と同じように生えている子は誰もいませんでした。 私は不思議に思いつつも、でも剃らなくていいんだと思っていました。 明らかにおかしいと思ったのは、産毛をクラスメートに指摘されたことです。 その子は優しい子で、色々と教えてくれたのです。

でも、母に逆らうようなことをするのは怖かったので、放っておきました。 今思えば、ここでちゃんと対処していれば、嫌な思いをすることはなかったのかもしれません。 心優しいクラスメートの話を、ちゃんと聞けばよかったのです。 私は徐々に、クラスメートから産毛について色々言われるようになりました。 ここまできたら、さすがの私だって対処しなければと思いました。

私は、学校であったことを正直に話しました。 そうすると母は、「ごめんね。お母さんのせいだね」と言って、気の剃り方を優しく教えてくれました。 もっと早く話していればと後悔しました。

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